もしも連載の主人公がにゃんこになったら。
Ver.歪みの…


「なってしまったよ」
チェシャ猫「なってしまったね」
「どうして私まで巻き添えを食ってしまったんだろうね」
チェシャ猫「……そうだね」
亜莉子「でも一番疑問なのは、が猫じゃらしに興味を持たないことだわ」
チェシャ猫「そうだね」(即答)
「亜莉子や、君達のその意気投合っぷりも相当な疑問だよ」
亜莉子「ったら、どれだけの尊い猫じゃらしが消えていったと思ってるの?」
チェシャ猫「666本だよ」
「とてつもなく縁起が悪いね。どうしてそうなるまでにやめなかったんだい」
亜莉子「それもこれも、が可愛くじゃれてくれたなら、出なかった犠牲なのに」
チェシャ猫「消えてしまった命を償うべきだよ」
亜莉子「そうだわ」
「亜莉子や気付いておくれ、チェシャ猫が今、倫理を口にしたことを」
亜莉子「消えてしまった命を償うべきだわ」
「なんだい、流行語かなにかなのかい」
チェシャ猫「にゃにゃにかにゃにょかい」
「一箇所要らない上にとっても発音し難いね」
亜莉子「そうだ、いいこと考えたっ!」
「何かいい妥協案でも思いついてくれたのかな、亜莉子ちゃん」
亜莉子「違うわ、やっぱり猫のことは猫に聞くべきだと思って」
「ねこ?」
チェシャ猫「にゃーん」
「ああ、そういえばチェシャ猫は猫だったね」
亜莉子「ええ、だから、猫の振る舞いは猫に学ぶべきだわ」
「結局そこから逃げられないことは理解したよ」
亜莉子「そうよ、折角の拍手なんだもの。が一肌脱がないと!」(にこっ)
「本当にまっくろで可愛い笑顔だね、眩しいよ」
チェシャ猫「クロネコ、」
「ん、なんだい?」
チェシャ猫「…」(ぐい)
「?(顔が)」
チェシャ猫「ねこは、」
「猫は?」
チェシャ猫「鼻と鼻を擦り合わせて挨拶するんだよ」
「へえ、そうなのかい。物知りだね」
チェシャ猫「…(にぃぃぃぃ)」
「ハロー、チェシャ猫」
チェシャ猫「ハロー、クロネコ」(すり)
「……(なんだか妙な挨拶だなぁ)」
チェシャ猫「……」(すりすり)
「……」
チェシャ猫「……(ゴロゴロ)」(すりすりすりすり)
「ち、チェシャ猫や、もうそろそろ離れても大丈夫だよ」(ぐっ)
チェシャ猫「…そうかい?」
「そうだよ。もうそろそろ文で表現できなくなるからね」
チェシャ猫「もういっかいする?」
「いいや、しないよ?」
チェシャ猫「それじゃあ、おしまい」(ちゅ)
「……?(ち、ゅ?)」
チェシャ猫「(にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ)」
「これ、チェシャ猫や、」
チェシャ猫「もういっかいする?」
「…しないよ」
チェシャ猫「する?」(ぐい)
「チェsy、」
亜莉子「30行ぶりに戻ってきたと思ったら、なにこの甘い雰囲気!
      、駄目なんだからね!お母さんは恋愛を許しませんからね!
      それからチェシャ猫!」
チェシャ猫「なんだい、アリス」
亜莉子「お前を消す。臨兵闘者皆陣列在前…」
「亜莉子、どうどう」
チェシャ猫「得阿耨多羅三藐三菩提」
「チェシャ猫、どうどう」

二時間続いた


亜莉子、チェシャ猫、悟りの境地予備軍
(2人ともあんな言葉、一体どこで習ったんだい)
(目を閉じると瞼の裏に浮かび上がったの)
(何も考えずにホトケサマへの帰依を考えたんだよ)
(ああ、なるほど、コレが拍手お礼という惨劇なんだね)