その時、俺は寝ぼけ眼のままで政宗の腕の中に居た。
どうしてそうなったのか、俺は良く覚えてる。だから焦りもしないし、怒りもしない。
むしろ昨日のことで、俺が怒られちまわないかが心配だ。
つーか、アレだ、コイツの腕の中、結構暖かくて気持ちよかったりする。
俗に言う子供体温だ。
政宗はカイロだよ。貼るタイプ、いや、貼る政宗。あと、実を言うと政宗の足が俺の両足の間に入り込んでいたりするんだが、
俺は男だし、こういうことを恥ずかしいとは思わない。寧ろなんだか可愛いと思う。
こいつ擦り寄ってくる子犬みたいだから、親犬になったみたいな……
いーの、俺がそう思ったんだから。
政宗よりも先に目が覚めた俺は、顔を上げて政宗を覗き見た。
眠ったままの政宗は起きているときとは全く雰囲気が違う。
いつもは野獣みたいにギラギラした目はぴっちりと閉じられて、
その代わりに自己主張をする睫毛は思っていたよりもずっと長い。
意地悪く吊りあがっていたかと思っていた(偏見とか言うな)眉も自然な流線型。
コイツだってまだ子供らしい顔してんだな。幸村の寝顔は良く見るが、それとあまり変わらない。
安心しきってくれているんだろうか。だったら、何か嬉しかったりする、そんな俺。
因みに佐助の寝顔は見ることが出来ない。
アイツはいつも先に起きていて、目が覚めたばかりのまどろみを俺に抱きつきながら醒ましているからだ。
変なトコ揉むから、良く殴る。
「Un…??」
じっと見つめていたら、瞼がゆっくり持ち上がった。
一般よりは少しだけ色素の薄い瞳が半分位まで見えた後、政宗はだらしなくポカーン、と口を半開きにしたまま、
何度か瞬きをした。どうやらまだ、意識が覚醒していないらしい。いつもの雰囲気とあまりにギャップがありすぎて、
少し笑える。しかしまぁ、寝ぼけている割には確りと巻きついた腕だ。
それも、軽く廻してるんじゃない、思いきり『抱締める』っていう形。
これで今頭突きとかされたら絶対逃げられんぞ、どうしたらいいんだ。何だこれ、オリオリ?オリオリの実?
「おはよう『政宗』。朝だ。起きようぜ」
「…Give me your rip…」
「よーしお前にはゴムゴムの頭突きをくれてやる」
迫る政宗
スタンバイする俺
振り下ろされる長ネギ
頭を思いきり逸らす俺
長ネギが突き刺さる布団
長ネギにキスする政宗
驚愕する俺
「間に合ったな……、大丈夫か」
「オカゲサマデ」
完全に目が覚めました。
26 平和な国
「全く、油断もスキもあったもんじゃあない…」
何故か作務衣姿で駆けつけた小十郎は、長ネギを床に差したままでを
政宗の腕の中から救出すると、小声でそう溢した。額に滲む汗は土弄りの所為か、安堵の所為かはよく分らない。
だが勿論その呟きはにも聞こえていて、どうしたのか訊いたら、
小十郎は何も言わずにの寝間着の袷を調えた後、その頭に手をおく。
「お前はもう少し女だって言う自覚を持ったほうがいい
嫁入り前に男と寝るだなんて、覚悟は出来てんだろうな?」
「ええー…」
「あァ?」
「だって」
「だって、じゃねえ」
だって男の子なんだもの。
流石にそうとは言えずには顔を顰めただけだったが、小十郎に正面から見据えられて、いいな?と念を押されては
頷かないわけにはいかない。というか893。心配してくれていると分っていながら、は
半ば強制的に、油が切れた機械みたいな動きで頷いた。自分が知らないうちに脅しという、義に反する行いに
近しいものをやったことには全く気が付かない小十郎は、それに満足したように渋く微笑む。
その凄絶な脅しが終了した後、政宗が布団から起き上がった。
くっ付きあって妙な格好で寝ていた所為か、頭頂部の辺りに滑稽な跳ねが完成していて、まるでオウムの羽みたいだ。
それでが笑いながらその寝癖を伝えると、政宗はどこかバツが悪そうに、顔を僅かに顰めながら頭を掻く。
寝癖を尾のようにヒヨヒヨ揺らしながら、朝のキッスと称してまたに迫ったが、
今度は小十郎が牛蒡を構えたことにより、事なきを得た。
□□□□□□□□□□
「ったくあと少しでと…」
「何か?がどうかなされたか、政宗様」
「…いや」
廊下を進む途中、政宗は横目で小十郎を盗み見ると、そっけなく返した。
一段落付いて、は小十郎に風呂に入るように言われた。
武田でもそうだったが、酒宴の後はそのまま寝てしまうらしい。
はどうにかしなければ、と思いつつ、小十郎による入浴時の注意を受けた。
やれ滑り易いだの、湯が熱かったら言えだの、もし誰かが覗いていたらヤレ(俺にはどの
漢字だか見当が付かなかった)だの。
その全てに抗わず、適当に頷いていくと、小十郎は何かあったなら直ぐに呼べよ、と付け加え、
政宗と一緒にを湯屋まで案内した。
因みに伊達軍らしい、大漁旗の見え隠れする風呂だ。
(ヤツ等、特攻上等らしい。風呂でどこに特攻なんだ)
雑草抜きの最中だったとかで、作務衣のままの小十郎はもう少し土弄りをするらしく、畑に戻っていった。
を安全に(といっても、此処は城内なのだから危険などたかが知れている)送り届けて、自身も着替えに行く途中、
先刻、の部屋に放置されたままの長ネギに自ら熱烈なベーゼを与えたことを思い出して、
唸りながら腕で口を拭った。そして、ふと思う。
小十郎があそこまで真剣になる理由というのは、一体。
「父性本能が働いてる…なんてのァ、NGword、か?」
もしかしなくても野菜への愛情がにも掛けられ始めたのではないか。
あの忠臣が必死に否定する姿を思い浮かべて、1人、笑った。
(With the pleasure which she called my name.)
風呂に入り終えたは、不可解な現象を目の前に、小さく唸った。
肩に掛けられた布は髪の水分を吸い取るでもなく、そのままだらしなく垂れ下がっている。
もちろん全裸である。しかも仁王立ち。この場面を見た人間は揃って漢らしい、というだろう。
まぁ、本人からすれば、こんな行動は当然の話ではあるのだが。
はしかめっ面のまま、籠の中を見つめる。
「えーっと、これは、アレか」
服を入れておいたはずの籠の中。確かに小十郎は、風呂から上がるまでに着替えが用意されている筈だ、と
言っていた。お前が今着ている分はうちの有能な女官達が持って言ってくれる、と言ってはいたが。
確かにが服を脱いだはずのところには、先刻まで着ていた寝間着はなかった。そのかわり、
そこには丁寧に、どうも見覚えのある色柄の着物がおいてあった。
薄桃色の地に、それよりも少し来い桜の花弁が舞っている、女物の、着物。
は顔を顰めたままで、その着物を濡れた手でちょいちょいと引っ張って広げた後、大仰に溜息をついた。
そして見回す。湯殿には目の前のもの以外に着るものが無いと再確認して、片手で目を覆った。
「夢であってほしかったんだけどな…」
13話参照である。
案の定その着物はかつて佐助が土産に、しかも呉服屋を脅して、買って来てくれた着物だった。
女官が何故持ってきたのかは不思議だったが、それよりも今この空間に着るものがこれしかないことが大事件だった。
(姉さん、事件です!)(僕の服が、やられました!)
なんといっても丈が短い。現代にはメイドさんとか言うのがいて、絶対領域とか言うものがある。
それを作り出すには打って付けの長さだ。勿論、戦国で生き抜くのに打って付けの長さであるわけがない。
丁寧に小袖(現代で言う下着)も上と同じ長さにそろえられて、これではどこら辺で下着の役割を発揮できるのだろうと思う
ところだが、あられもない全裸で城内を徘徊するよりはましだと暗示をかけた。
恨めしく思いながら着替え終わり、空っぽの籠を見ると、一番底に何か紙切れが入っていた。
上等な紙なのだろうか。すべすべしたその表面に、すこし型崩れした文字がならんでいる。
ちゃんへ
ちゃんさ、着替え持って行ってなかったよね
だから俺様が片倉の旦那の袋の中にいれておきました
本当に似合ってると思うよ。ああ、俺様って天才っ
どうして袋の中に入れられたかって訊きたいみたいだね
それは俺様が忍だから
そう、忍だからさ
満月の如く咲き誇るのさ
天才、それは俺様
て んしょ ん
↑最近俺様、この言葉好きだったりする
早く帰ってきてね
お帰りの接吻したげるよ
『バババシューン』
戦極ドライブがみっつ一気に貯まった音がした。
は怖いぐらいに無表情のままでその手紙を握り締める。
もしに何処かの魔人探偵の様な能力があったのなら、
その紙切れをファイアウォールを凌ぐ熱さの炎で灰にした後に、
それを数え切れない食材・薬物と精密なバランスで調合し特殊な味付けをして
煮込むこと七日七晩。出来上がった暁には送り主に血管から食べさせていたに違いない。
「あー…、まぁ、仕方ないか」
だからといってこのままで居るわけにも行かないのは、も重々承知していた。
此処にあるのは精々、この服と、濡れた布と、脱いだ服を入れる籠。濡れた布も、籠も、
服として利用しようものなら有無を言わさずに岡場所行きだ。
それに此処に居続けて、他の人間が来たら、それこそ如何したら良いかわからない。
あの酒宴の後、城の伊達軍兵士の誰にもあっていないものだから、反応が恐ろしい。
あとこの長さがなんか、恥ずかしい。
でもこの長さでも受け入れられそうな気がするのは、BSARAだからだろう。
兎に角、知っている人間、それも常識のある人間。
野菜が好きで割烹着の似合う、ヤク…人を探さねば、ならない。
実は、未だ自分の部屋なるものを覚えていなかったりするのだ。
部屋に非難するのだ。ここの城主だけには会わないように。
「俺は出来る、俺は出来る、よし、俺はで―――」
ガラッ
「Hey!とっくに着替えは終わってんだろ、早く出て来な!」
「…斬る、俺は斬る、俺は斬る…」
一生懸命に願掛けするの静寂を破った本人(しかもジョーカー!さいあくだ)
に、願掛けの主旨を見失ったは出刃包丁よりも鋭い視線を投げた。ついでに
籠も投げておいた。
視線の先の政宗はジョーカー扱いされていることも、の脳内で自分が現在進行形で無残に惨殺されていること
も露知らず、籠をマトリックスで避ける(スーパー政宗タイム)(SMT)と、
湯気の去った室内に立つの姿をはっきりと目に入れた。
風呂上りで軽く上気した肌の桃色に、むき出しの大腿。しっとりと濡れた艶髪。
完全な健康美を保った肉体はオーギュスト・ロダンの作品の如くして芸術品という格に昇級するが、
少年というには柔らかく、オンナというには引き締まったその体のラインはそれに値すると言っても過言ではない。
暫し見とれていた政宗は、気を取り直してに話しかけた。
「♪〜随分とイイ格好じゃねーか」
「感謝なら佐助にしろよ、出来るだけ早めに。
アイツの命が俺によって摘まれる前に」
「どんな殺害予告だ。Are you poet?」
「Yes.I am mummy.」
「ホントにどうしたんだアンタ」
(うふふ、なんちゃって☆)
(はおしゃべりするのがめんどうになっちゃったのだった☆)
≪只今、不適切な心情表現が流れましたことを心より謝罪いたします≫(ピー)
□□□□□□□□□□
「マーグナム!マァァグナァァム!HAHAHA!」
…と、いうことで、今までの風呂での騒動を全部政宗に話したは幾分かすっきりした気分で、
政宗が佐助の手紙に何度も素手でMAGNUM STEPを繰り返す(態々部屋の隅から隅までを使っての立ち回りです)
のを見ながら、本来の目的を思い出した。
部屋にもどらなければならないのだ。非難するために。非難?そういえば何から非難するためだったか、そうだ、政宗だ。
いつの間にかそれが叶わないエスケープになって居ることに愕然とする。
だが希望が消えたわけではない。
は横で凄まじい騒音を繰り返す政宗を見る。(頭…じゃなかった、手大丈夫か、コイツ)
服云々には好評を呈していたくせに、『接吻』の文字を見た瞬間こうなったのだ。
(逃げるなら、今だ!)
政宗のMAGNUM素手ップが一桁を卒業したぐらいに、は脱出を敢行した。
そっと戸の辺りまで移動する。
そして最早BGMと化した電気の音と掛け声にあわせて戸を僅かに開ける。気付かれてない。
順調だ。今こそ脱出の好機ぞ!我に続け!、とばかりには忍び足を進め――
ガッ
「ーーー〜っ!」
思いきり 小指を ぶつけた。
悶絶してしゃがみこむと、BGMが止まった。あと視線を感じる。
は湯屋にいるもう1人に確実に気付かれてしまったことを感じ、ついでに自分の小指を憎んだ。
犬が自分の尻尾を追いかけるのも、こういう起源かもしれない、と思った。
政宗はこちらに近づいているんだろう。ギィギィ、と静まり返った空間に足音が響く。一種のホラーだ。ホラーアクションだ。
このままTウイルスとかにやられた群衆と戦っていくのだろうか。そういえばカードキーを取った瞬間に
横から出てくるアンデッドがいたが、アレはプレーヤーがカードキーを取るまで待機していたんだろうか。
政宗はの背後から言う。
「元気がいいみたいだな、?」
「馬鹿言え。もう疲れきってら
見ろ、俺の小指も、もう駄目みたいだ」
『ぐはっ、親指によろしく頼む…ぜ…』(裏声)
「小指…ッ!お前の無念は俺が晴ら、」
「俺を置いて行こうとするたァ上等だ」
「無視てお前…」
はしゃがみこんだ状態のままで政宗を見つめ返す。
可哀想に、佐助の手紙は湯屋の奥のほうの壁にめり込んでいた。
というか、アレだけ攻撃を食らってもまだ原形を保っているのが恐ろしい。
どうやら一般兵よりも防御力のある紙のようだ。
槍の又佐はアレを服にすれば良いんじゃないか。
そう思ううちにが逃げ出そうとしていた戸は子気味いい『トン』という音と一緒に、
閉じられた。顔を上げれば政宗が戸を閉めたことを確認できる。
「Hey、」
「あ?」
「賢い捕食者が獲物を捕食する際、最初にすることは?」
「…?さぁ」
「退路を断つことだ。You see?」
政宗はと同じ目線までしゃがみこんだ。此方に向き直り、立ち上がろうとしたの肩を
押して元に戻すついでにの両頬に手を回す。
湯屋の中は湯気が晴れてもまだ湿気に満ちている。乾燥しきれない髪としっとりした頬が
手に吸い付くようで、政宗は尚のコト笑みを深くした。そうやって顔を固定されたまま目線が合う。
イタズラを思いついた少年の様な顔に、の表情がみるみるうちに凍っていく。
「続けるか、さっきの続き…もとい、お仕置き、をな」
「あのな……ハァ、最初からその気で来たのかお前は」
「ぬぅーすんだぐぅーんばではしりだすー!」
「歌うなァァァ!!」
顔、近いんだから!
突っ込みつかれたがジト目で政宗を見ようが、若い政宗のPassionは留まるところを知らないらしい。
ウキウキした様子で挟み込んだの顔の、頬や目や唇を指でなぞっていく。
あまりの嫌悪感とくすぐったさに、の機嫌は悪くなる一方だが、その歪んだ口元や険しい目元が
政宗を尚更興奮させるらしい。からすればいい迷惑だ。嫌だと言えば寄ってくるのに、好いと言っても寄ってくる。
対処の仕様が無い。ということで。
「ひどいよ、政宗……怖い…」
「!…?」
「俺、いつもの優しい政宗のが、いい…」
弱者を気取ってみた。
眉を八の字に下げて、目線は限りなく下。顎は引いて、肩は竦める。
両手は胸元。覚束無さげに軽く手を組む。鼻なんかすすってしまえば完璧だ。
これはが現代に居たとき、友達がもっていたギャルゲーの『明らかに狙ってるだろうこれは』的なキャラから
頂いた案である。何故そんなことを覚えていたのかというと、そのキャラクター、やはり狙っていたらしくラストシーンで
レディースの総長だったことをカミングアウトするという、衝撃のエンディングが…と、それは置いておいて、
は全身に立とうとする鳥肌を抑えながら、相手の様子を窺った。(まさか俺がこんな発言をせねば成らんとは、
独眼竜、侮るべからず…)
が。
「Let’s party!Ya−ha!」
「なん、う、おぉぉぉぉ!?」
全く持って突然。ぐるりと廻る感覚がしたと思ったら、次の瞬間、視界には政宗だけが映った。
邪悪な微笑が称えられたその顔はどうみても美形にか見えないのだが、
には悪魔の笑みに見える。梵天丸の笑みは何処に行ってしまったんだろうか。
を滑らかに押し倒した政宗は、に馬乗りになり、服の合わせ目に手を掛けた。
その目には明らかな欲情が見て取れる。の頬には引き攣った笑いが、額には冷や汗が出現した。
ヤバイ。爆弾兵に囲まれた状態で挑発モーションをするぐらいヤバイ。
辞書二冊を一枚ずつ挟み合わせて両方から引っ張るぐらいヤバイ。
「Okay.ヤサシくシテやるぜ、
痛いのはイヤなんだろ?ゆっくり慣らしてやるよ…Baby」
「い、いぎゃぁぁぁぁぁぁ!
うわぁぁぁぁ小十郎さァァーん!」
(こここ小十郎さんタスケテェェェェ!危険だよ、危険な目にあってるよ!
大変だよ!どうしようもないよ!うわ、ちょ、なんか涙でてきた!
意味わかんねー!あははは!へんなの、俺、変なの!タミフルかな!俺飲んだことあるし!
背中冷たいよ、絶対これ濡れてるよ、小十郎さーん!あらまぁ、こんなところにも埃が!
まったく、ちゃんとお掃除してるの?小十郎さァァァん!)
すぱぁーん!、と勢い良く戸の開く音がして、の意識はインフルエンザの状態から回復した。
(もう薬なんて信用しない)(ダメ。ゼッタイ)政宗の肩越しに薄っすらと見えた小十郎は、もう作務衣から着流しに
着替えていた。勿論牛蒡や長ネギなんて物騒な第七武器を持っているというわけではなかったが、それでもにとっては
救世主だ。縋るように小十郎を見つめた。そこで変化に気付く。
「小十郎さん、前髪が…」
「政宗様…地獄がご覧になりたいようですな……!」
=同時刻・城下町=
「おっ?今地震来なかったか?」
「さァな、それよか早く運んじまおうぜ」
「そうさな。花子も手伝え」
「あい、父ちゃん」
あのねぇ、きいてきいて、おっかあ。
今日はおっかあが休みだから、はながお城までいったんだよっ
それが終わったら城下で遊んで良くってね、はなにはお友達も出来たんだよっ
奥州は平和な国だねっ